言葉の魔術師の異名を取った古舘氏は、近年SNSやAIの台頭によって「しゃべりが弱体化している」ことを嘆かれました。特にSNSは「狭いカプセルのなかだけで盛り上がって、私たちとあなたたちという対立構図をつくってしまい、しかも攻撃的になってしまう」と指摘。「言葉には肌触りがある。相手を慮ったり、表情を探ったり、言葉の強弱を汲み取りながら総合芸術のようにやり合うことこそが大切。人間が対面で話し合うことの素晴らしさをあらためて皆さんに伝えたい」と述べました。また、すぐに二項対立になりがちな風潮を憂い「ぼく自身、心の既得権を外して非常識に生きることを心掛けている」と、常識を疑うことの大切さを説かれました。